シネつう!
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劇場版 進撃の巨人
Season2 〜覚醒の咆哮〜
2018年制作

満足度:

TVアニメ「進撃の巨人」の2期を再構成した総集編。
100年ぶりに人類が直面した巨人の脅威。
南からの多数の巨人が出現。
しかし壁は破壊されておらず謎が深まる中、突然ライナーがエレンに自分が"鎧の巨人"であることを明かす。

副題の通りTV版の2期の総集編という事になるが、ダイジェスト感もほとんど感じられず12話分を2時間の中に上手くまとめていて、なかなか良かった。
まあカットシーンも多々あるんだけど、本筋を見失わずに纏めているのでそんなに気にならない構成になっているよね。
・獣の巨人の登場
・ライナーとベルトルトの正体
・クリスタの本名
のちの展開のために外せない部分を押さえつつ、「進撃の巨人」らしいアクションシーンも満載で見応えは抜群。
TV版の総集編なのにアクションの迫力が劇場の大画面でも全く見劣りしないというのは、常々TV版から「力入れすぎw」と感じてしまうなあ。
それがすごいよね。

とはいえストーリー的には総集編でしかないので、平たく言えば知った話を劇場で流しているだけではある。
その点では前2作の劇場版も同じなんだけど、本作は後半に向けての重要な転換点でもあるので、原作の進行(先の展開)をリアルタイムに踏まえながらこの映画を観ていると、TV放映で観た時と印象が少し変わって面白い。
何が?というと、ライナーが正体を明かすシーン、そしてその後の巨大樹の森での会話の印象。
TV版放映時では原作でもまだライナーの過去が描かれていなかったので、上記のライナーの行動や言動が理解しきれなかったけど…、ライナーの過去を原作で読んだ今では「この時のこの言動はそういうことだったのか」と違う見方で感じられる。
同じ場面でも、TV放映時はエレンと同じく怒りに似た感情、この映画の時はライナーとベルトルトに対する同情にも似た感情、といった具合かな。

そういう観る側の感じ方に変化が起きるのは、原作のストーリー展開の妙と映像媒体の公開タイミングがいい具合にハマっているからということもある。
それを感じると、さらに「進撃の巨人」という作品世界の広がりが面白い。
というか、やっぱり原作の構成力に驚かされるところだよね。

そんなわけで、TV版3期の前振りとしても、ライナーの過去を踏まえた上での復習としても楽しめる良い総集編だったと思いますよ。

(ラストの新作カットは、本編がシリアス一辺倒だったので余計に微笑ましかったw)


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