シネつう!
JAPAN STYLE !!

劇場版シティーハンター
天使の涙
2023年制作

満足度:

北条司の同名漫画を原作にしたTVアニメ「シティーハンター」シリーズの最終章。
外国人美女アンジーから猫探しの依頼を受けた冴羽獠と槇村香だったが、彼女には獠の過去にも関係する裏の目的があった。

獠のゲリラ部隊時代に彼の父親同然の存在でもあった海原神がアニメ版としては初登場。
依頼人のアンジーは実は海原神率いる犯罪組織ユニオン・テオーペの暗殺者で、彼女は「心酔する海原神の最高傑作でありたい」という気持ちから冴羽獠に接近する…というのが大まかなプロット。
そこに人間を戦闘兵器に変える「ADM」の争奪戦も絡む話になっていくのだけれど、正直言うとこの「ADM」の争奪戦がちょっとフワフワしている印象でもったいない気がした。

キーアイテムとして「ユニオン・テオーペに渡してはいけないもの」という存在である一方で、割とあっさりと人から人の手に渡っていくのが拍子抜け。
しかもラストでは獠とアンジーの戦いを見届けた海原が残りのADMを海に捨てちゃうので、観ていて「何のための争奪戦だったの?」となってしまった。
まあADMの元になった「エンジェル・ダスト」は獠の過去にとってもキーワードになる代物なので、話の中に出したかったというのはわかるけどね。

割と憎めない敵役だったピラルクーとエスパーダとの決着もあっさり。
そこからアンジーとの最終決戦もだいぶ力技の展開だったような気がするけど、海原にとって「最終的にADMやアンジーをどうしたかったのか」が分かりにくかった感じはするかな。
それでいて海原が最終章の重要人物であることには間違いなく、ラストではアンジーの墓前で獠と対面。
続編での決着が気になるところではあるが…。

劇場版としては前作「新宿プライベート・アイズ」の方が楽しめたかなあ。
前作は20年ぶりの新作でもそれほど浮足立ってる感じはしなかったけど、本作は4年ぶりの新作でもずいぶん浮かれた感じがしてしまった。
キャッツ・アイとの共演はともかく、ルパン三世まで出すのはファンサービスとしてもちょっとやりすぎ?
まあ「ルパン三世VSキャッツ・アイ」で獠がカメオ出演していたので、そのお返しみたいなところもあるんだろうけどね。
もし続編があって、それが「ルパン三世VSシティーハンター」ならこのルパンの顔見せもありかもしれないけど、ここから「最終章」としてまとめたいならあまりコラボして世界観を広げなくても良いかなと思った次第です。


もどる(サ行)

当サイトは
円柱野郎なる人物が
運営しています
since 2003.02.01