シネつう!
JAPAN STYLE !!

新世紀エヴァンゲリオン
劇場版
DEATH(TRUE)2
1998年制作

満足度:

TVシリーズの映像を再編集した劇場用作品。
「DEATH(無印)」は97年公開の「シト新生」にて「REBIRTH」と同時上映。
「DEATH(TRUE)2」は98年公開の「REVIVAL OF EVANGELION」にて「Air / まごころを、君に」と同時公開。

(再)放送当時、このエヴァが社会現象にまでなったっていうのは、主人公である碇シンジの苦悩に、「自分の居場所」「生きる意味」を見失いかけている若者が心情をダブらせたからで、実は如実に世相を反映したりしてるわけですが。
そんなTVアニメの続編としての映画化。

この「DEATH」についてはあくまでTVシリーズの総集編。
でも未見の人用のガイダンスではなく、TVの続編である「REBIRTH」もしくは「Air/まごころを君に」を観る前に、エヴァ的な演出スタイルや世界観をファンが再認識する為の機能を果たしているように思う。
TVシリーズを見てない人へはかなり不親切な作りかもしれないけど、総集編としての前半「DEATH」と、最終回の補完である後半「REBIRTH」(結局未完成だったが)という2本立ての形態は、それ自体がおそらく「伝説巨人イデオン」のオマージュだったんだろう。
まあ「人類補完計画」自体、それが目指すものってイデの発動とニアリーイコールだしね。

カットのテンポ良さ、再構成の内容は時系列をいじくりまわしてかなり手が込んでいる。
それでいて大まかにキャラクター毎のキーとなるイベントや心象で纏めているので、ストーリーを理解していればさして混乱はしないし、完全にTV視聴前提だとしても構成としては決して悪くないと思う。
第5使徒ラミエル、第13使徒バルディエル、第17使徒タブリス(カヲル)という重要な要素はちゃんと入っていて盛り上がるし。
まあ正直言うと、公開当時に劇場で観たときは、さすがに「わざわざ映画館に行ってこれ!?」とは思ったけど…あの時は若かったんだろうw

しかし元々、庵野監督はロボットアニメを通じて精神哲学を暗喩的に描きたかったのかはよく分からない。
TVシリーズの後半は、紆余曲折したあげく、結果的にそうなったんだと個人的には思っているのだけれどね。

ちなみに「DEATH(TRUE)2」は「DEATH(無印)」と比べるといくつかの追加の他に(無印)からカットされたシーンもチラホラ。
特に後半のアスカ絡みはカットが多いけど、TV版にはない結構ネガティブ発言なシーンもあったりしたので、その辺は無くなってバランスが取れたのかなあ…とは思うところ。

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