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実写TVドラマ「THE NEXT GENERATION パトレイバー」シリーズの最終エピソードを描いた劇場版。
突如爆破されたレインボーブリッジ。
正体は強奪された陸自の最新戦闘ヘリ、グレイゴーストだった。
「THE NEXT GENERATION パトレイバー」シリーズ自体は、これまでにOVAやTVアニメそして劇場版で制作された「機動警察パトレイバー」の続きの話ということになっているけど、その実はアニメ版の実写リメイクといった趣の作品。
これまでにTVドラマとして作られた1章〜7章はもろにアニメと同じ話を作り直しているものもあったしね。
そういう意味で本作もそのリメイク的な雰囲気が色濃く残っている作品になっている。
作り手も自覚的に「機動警察パトレイバー2 the Movie」との合わせ鏡として撮っているし、観る側としてもそれが分かって観ている事もあり、押井ファンとして期待する“シリアスなパトレイバー”として十分に楽しませてもらった。
むしろ中盤の突入戦や終盤の戦闘ヘリによる空戦などは、「パト2」よりもアクション面でサービスした見せ方をしているんじゃないかな。
兵器の音も重低音が効いていてミリオタの押井監督らしいこだわりが感じられる。
これは劇場の音響で聴くと実にいい感じの迫力がある。
ストーリーは「パト2」の再構成なので、やはり隊員たちの影は薄く隊長である後藤田(筧利夫)が主役って感じの展開。
ただここまでのドラマ版での積み重ねがあるから、各隊員のキャラは観る側も掴んでいるし、ちょっとした活躍でも十分に見せ場として機能している。
まあ女優好きの押井監督なので、活躍するのは女性ばっかりだけど。
監督本人も「5人の女が闘う映画で、男は何もしないんです。」と言ってるくらいだしw
中盤のカーシャ(太田莉菜)の銃剣術はやっぱりカッコイイよなあ。
そして肝心要のレイバーは…やっぱり終盤まで動かさないw
監督がロボット(レイバー)バトルを描きたい訳ではないからねえ。
描きたいのは状況に立ち向かう人間であって、プラス好きな兵器が描ければいいんだろうけど、レイバーなんてオマケみたいなもんだからこれで良いんじゃないかな。
「パト2」の事を理解していれば、たったあれだけ動かすだけでも十分。
そもそもレイバーと戦闘ヘリで市街戦なんて現実的な戦術になりゃしないし、市街地への被害を減らすための誘導として東京ゲートブリッジでの決戦を選ぶという方が確かに現実的。
まあ勝てるはずのない対空戦で勝っちゃうのは、エンタメ映画として大目に見てってとこかな?
もどる(サ行)
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