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同名TVシリーズのその後を描いた劇場版。
人の精神状態から"犯罪係数"を測定し、管理するシビュラシステムを導入した未来社会。
密入国テロリストを捕えた公安局刑事課の常守は、過去の事件後に姿を消した執行官・狡噛の存在を知り、その真相を追う。
TVシリーズ2期の終了後に公開された作品だけど、内容的には2期を見ていなくてもそれほど差支えない。
もちろん1期は大前提で、シビュラシステムの正体、槙島事件、常守と狡噛の関係は分かった上で観ないとダメだけどね。
アクションはとても素晴らしく、銃撃戦もさることながら本作では特に格闘戦の見せ方が良い。
重さやスピード感…これは邦画実写では出来ないレベルですわ。
あと、感心したのは声優がね、英語を頑張らなくちゃいけない時代になったんだな、とw
大変だなあ…。
本作の舞台はシビュラに管理された日本ではなく、そのシビュラを導入しようとしているSEAUn(東南アジア連合)が舞台。
日本の公安である常守の海外派遣に説得力を持たせてなければいけないのだから、ストーリー展開も慎重になるのだろうけれど、序盤は少しテンポが遅めな感じ。
もちろんオープニングの銃撃戦は派手で見どころもあるし、常守がSEAUnに行く事を決心しに行くまでの段取りに問題があるわけじゃない。
そこは細部にこだわるSFという心意気かな、という意味で好意的に観ております。
進行上、常守はシビュラが完全には運用されていない地域に単身で行くことになるし、そうなればドミネーターも使えないし、と最初は「それって『PSYCHO-PASS』である意味があるのか?」などと思って観ていたのだけど。
そこはそれ、“シビュラ”という絶対的な管理者の思惑で物事が進行していたという結末を観ると、その纏め方にも「PSYCHO-PASS」シリーズとしてのエピソードとしても納得した次第。
人々を管理し、無意識に自由を取り上げる様な、そんなやり方が正しいのかが疑問に思えるシステムでも、「最大多数の最大幸福」という題目によって成されたその強制された秩序を人々は選ぶのか。
エンドクレジットの前後で見える、その皮肉な世界観が「PSYCHO-PASS」らしくていい。
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