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人の精神状態から"犯罪係数"を測定し、管理するシビュラシステムを導入した未来社会を描いたアニメシリーズの劇場版。
様々な事件の陰で暗躍するコングレスマンとインスペクター。
1stインスペクターである梓澤はある目的のため公安局への襲撃を仕掛ける。
全8話で放送されたTVシリーズ シーズン3の直接の続編…というかTV版+劇場版でシーズン3としては一つの話なので、この劇場版だけだと物語の終盤部分でしかない。
そう思うと、わざわざ物語の終盤部分だけを劇場で上映しているのだからそれだけの価値を見出したいところではあるけれど、演出の質感というか、特にキャラ作画のクオリティとアクションシーンの爽快さに関しては劇場映画レベルというにはちょっと物足りないというのが正直なところ。
結局TVシリーズをそのまま“TVで放送しているのか”“劇場で映しているのか”の違いくらいにしか感じられず、強いて劇場上映のメリットを上げるとすれば、物語の終盤を一気に集中して観られたくらいことくらいだろうか…?
あ、ラストの霜月課長の驚き具合の表情は良かったw
内容的には割と詰め込んだ形で、複数の人物の目的が結末に向かっていく形。
複数の思惑が交錯するなら整理して表現しないと観ている側は混乱してしまうけど、そこはTVシリーズから観ていればそこまで問題ではない感じかな。
だけど登場人物が多いことにはやはりちょっと難があって、特に公安局のメンバーがお互いに連絡がつかず個別に行動をする序盤など、場面がよく切り替わるせいで緊張感の連続性にやや散漫な印象もあったかもしれない。
起きている事件自体は一つではあるけども。
TVシリーズなら1エピソードずつで中心人物を絞って見せるやりかたもあるだろうが、これは1本の劇場版として全部同時に見せようとしているのも伝わってくるし、やはりそれだと“まんべんなく見せ場を描くにはキャラクターが多くて大変そうだなあ”という風に感じてしまった。
観ている側にそれを感じさせちゃまずい気はする(苦笑)
でもそういう具合に登場人物みんなの活躍を見せようとしているのは、裏を返せば作り手のサービス精神とも言えるわけで、そういう意味では本作にはその精神がたっぷり入っているとは思う。
惜しいのはやっぱりそこで本来話を盛り上げるべき緊張感やアクションの爽快さが、劇場版レベルというには一歩及んでいないような感じに思えてしまったことだねえ。
あとややご都合主義的な展開が散見されたこと(特にドミネーターの扱いが…、例えばショットガンタイプが「こんなこともあろうかと」といったタイミングで存在していたり、外部からのドミネーターの配達の可能性に対して梓澤側の対処がないなど)が気にはなったけど。
これが劇場公開ではなく、もし普通にTV放送の形で観ていたら自分はそこまで気にしていなかったかもしれない…と思うと、ちょっと皮肉な感じ。
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