シネつう!
JAPAN STYLE !!

SAND LAND
2023年制作

満足度:

水の枯れてしまった王国で、住民の苦境を助けるために「幻の泉」という水源を探すたびに出ることにした保安官のラオ。彼は魔物の王子ベルゼブブとそのお目付け役シーフを仲間に加えて南の砂漠へ旅立つ。

水を求めて砂漠を横断している間に盗賊団がいたりバトルをしたりといった展開はちょっと「マッドマックス 怒りのデス・ロード」(2015年)っぽいけど、原作はこちらの方がだいぶ先(2000年)。
ちなみに原作は未読です。
正直「20年以上前の漫画をなんで今さら映画化?」とは思ったけれど、鳥山明の作品らしいキャラクターがテンポよく話を進めていく様子は面白かった。
丸っこくてデフォルメされた感じなのに、内部のミリタリーな機械描写がリアリスティックな戦車も魅力。
その戦車とおっさんと魔物の冒険ファンタジーという意味で、話はよくまとまっている。
そういう意味では時代性に左右されない「鳥山作品」の魅力が詰まっているとも言えるので、ただの「20年前の漫画」という古臭さもなくていい感じです。

キャラクターに関してはすべて3DCGでの描写。
背景は2D作画っぽい感じかな?
それでも違和感なく両者が溶け込んで、全く違和感のないものに仕上がっていて感心しました。
鳥山作品のCGキャラ描写はゲーム作品などでの演出ノウハウも蓄積されているんだろうけど、3DCGに長けている神風動画も制作に入っているし、でそういう長所の面もよく出ているのかもしれない。

全体を通せば中編作品という趣ではあるけど、原作が全1巻なのでちょうどいいボリューム感でもある。
自分としては昔読んだ「鳥山明◯作劇場」に載ってた短編のノリを思い出したりもして楽しめたね。


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