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弐瓶勉原作のTVアニメを劇場映画用に再構成した総集編。
数世紀前に外宇宙へと旅立った播種船シドニア。
そこへ襲来する謎の敵・奇居子(ガウナ)と人類の戦いを描く。
TVアニメ12話分の再編集版だけど、主人公・谷風長道とヒロイン・星白閑のストーリーを軸に上手く繋げているので、総集編にありがちなブツ切り感やダイジェスト的な印象はあまり感じない。
1本の映画としても十分纏まっているし、この映画が初見でも何とかついていけるんじゃないかな。
もちろん話としてはこの後にはTVアニメの2期へ続くので、エナ星白の事とか何もかも決着がついているわけではないけど、TV版と同じく紅天蛾(ベニスズメ)との決着で一端の区切り。
ハードSFな世界観ということもあって特殊な用語は多いけど、細かい設定(イザナの話はともかく、仄シリーズの説明なんて全カット?)はともかく、人間ドラマとしての泥臭さが結構面白い作品だと思う。
主人公の活躍に嫉妬する操縦士仲間の岐神海の存在だったり、ニブい主人公と周囲の恋の三角関係だったりw
そう考えると結構王道な話だな。
まあ岐神海の継衛(シドニアの防衛機・衛人の先行機。かつての英雄が乗っていた)への執着を示す序盤のシーンが少しカットされていたので、なぜ岐神海が長道をハメようとするのかが少し弱くなってしまったような気はするけど。
そこは空気を観て補完ってとこで。
逆にスーツの尿管カテーテルの話をわざわざ残してあったので何だろうと思ったら、中盤の「〜由来の水」の伏線で要るんだった。
さて劇場版ということで、最も力の入っている部分は音響だと思う。
セルBDの時点で5.1chサラウンドが収録されていたけど、この劇場版でもサラウンドが素晴らしい。
特に戦闘時の重低音はTV版(2.0ch放送)では体験できないものだし、実際に迫力面での印象もだいぶ変わるのではないかな。
それだけでも観る(聴く)価値はあると思うけれど、なぜか鑑賞料金が正規より高い特別料金2000円だったのでちょっと疑問。
確実に見に来るファンだけを狙ったのかもしれないけど、安くして間口を広げてほしかった気もする。
それ自体は興行側の問題なので、作品の内容には関係ない話ではあるが。
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