シネつう!
JAPAN STYLE !!

劇場版 SPEC〜天〜
2012年制作

満足度:

TVドラマ「SPEC 警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿」の劇場版。
謎の部分を残して終了したTV版から、スペシャルドラマ「翔」を経て描かれるスペックホルダーと警察の戦い。

TVと映画という媒体の差別化を意識しすぎたのか、微妙に悩ましい結果になってしまった感じ。
ボカされていた話の背景が一部明らかになり、キリスト教がらみの世界を揺るがす予言云々という、何とも斜め上の風呂敷の広げっぷりw
オープニングとエンディングで描かれる2014年の背景は明らかに飛ばし過ぎじゃないかなあ?
この話だけでは完結していない上に続編があるかどうかも定かでなく、しかもエンドクレジット後に「『癸(起)』『翔』『天』…ケツはこれか…?」と主人公の一人・瀬文に"欠"の文字を持たせるジョークをするのだから、ほんとに「マクガフィンだ」などと言い切って逃げられそうで怖い。

なので、単体で観れば俺はこの作品を「風呂敷を広げすぎて、TV版のある意味纏まっていた雰囲気を壊しかけてしまった映画」と思っている。
個人的にはこの映画の直前に放送された「翔」の方が、それまでの「SPEC」らしい規模だったと思うし、それまでのゲストキャラクターの再登場も面白かったのだけれど。
映画で登場する伊藤淳史も浅野ゆう子は能力規模的に強すぎて、やはりそれまでのバランスからすうと微妙だし、これが「映画だからハデにしようという気負い」に感じられて仕方がない部分。

とはいえ面白い部分もあった。
ほとんどは瞬発的な細かいギャグの部分だけど、そういうとことは堤幸彦監督らしいバカさが出ていたと思う。
特に主人公・瀬文は本作ではかなり道化になっていて、TV版では見せなかった顔芸は…w
津田の金八バージョンも笑ったが、宗家津田は他の津田に比べて平凡で、そこは少しもったいないかな。


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