シネつう!
JAPAN STYLE !!

スプリガン
1998年制作

満足度:

超古代文明の遺物を保護、または封印することを目的とした組織アーカム。
アーカムのエージェント(スプリガン)御神苗優はある日発見された“ノアの箱舟”を守るべくトルコに向かうが、暗躍する米軍の機械化小隊と対峙することになる。

総監修・大友克洋という看板が前面に掲げられる作品だけど、残念ながら大友的な悪いところが表面化してしまっている作品です。
つまり、画や動きは派手だけど、話の中身に感じ入る部分がほとんど無い…。

展開は原作の1エピソードである「ノアの箱舟編」を元に少しだけ膨らましたものだけど、話が膨らんでいるわけではなく尺が膨らんでいるだけなのがいただけないんだよね。
トルコに至るまでの経緯や原作の別エピソードからの拝借は、取って付けた感じがしていまいちかなあ。
アクションを見せるために、不必要に回り道をしているように見えて仕方がない。
作画のレベルは高いので、もう少し展開や見せ方に工夫があれば退屈しなかったんだろうけど、やはり話のテンポがどうにも鈍い感じでした。

原作の構図を再現したカットがいくつかあったけど、個人的にはそれはありだと思う。
逆にもう一人のスプリガン、ジャン・ジャックモンドの獣人化がカットされているので、ジャンが何故AM(アーマード・マッスル)スーツもつけずにあんなに強いのかの説明できてないよね。
優とジャンの関係には「俺がいなかったらお前は10回死んでるぜ」という良い台詞が原作にあるんだけど、それも何故カットされていたのがよく分からないなあ。

まあ、とにかく全体的に話とアクションのバランス感覚がちょっと微妙なのです。


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