8
アドベンチャーゲームを原作にしたTVアニメ「STEINS;GATE」の劇場版。
TV版でシュタインズゲート世界線に到達してから1年後、平穏な日々を過ごす岡部倫太郎(鳳凰院凶真)だったが、ある日強烈な既視感に襲われ、自分の身に何かが起こりつつあることを知る。
TV版だけで完成されたストーリーなので、その後日談となると蛇足にならないかという危惧もあったのだけれど、それは杞憂に終わったね。
岡部がラボメン達を救うため、孤独に悩み苦しみ駆け抜けたTV版。
その対となる話としてヒロインの紅莉栖が同様の悩みや選択を体験する構造が上手い。
序盤のネットネタのノリや、久々に聞く凶真の高笑いやツッコミは楽しい。
そういうサークル的なノリに、観ている側としては郷愁を感じてしまう部分もあるだろうかw
岡部の様子がおかしくなってきたあたりで、いったい何が原因なのかという謎が提示される。
観客としては皆目理由が掴めない。
ストーリーが進むにつれて明らかになるものの、そこで紅莉栖に訪れる究極の選択…。
ここまで観ると、TV版と同構造の展開を紅莉栖目線に置き換えて描いているというのが分かってくる。
そういう意味でもタイトルのデジャヴはかかっているのだろうか。
けど、同じような構造の話だとしても、岡部の想いや紅莉栖の想いがTV版の時間を積み重ねた上でしっかり出来上がっているので、2人のドラマとしての引き込む力が強い。
特に岡部が選択する願いや、過去改変に対する拒絶感の説得力はまさにそこまでに積み重ねた主人公の格か。
岡部、凶真のノリはウザいけど、その存在感は確かに輝いているよ。
そう思われられるからこそ、劇中での喪失感がラボメンを通してこちらにも伝わってくるのだろう。
もどる(サ行)
当サイトは
円柱野郎なる人物が
運営しています
since 2003.02.01