シネつう!
JAPAN STYLE !!

装甲騎兵ボトムズ
ペールゼン・ファイルズ 劇場版
2008年制作

満足度:

2007年から2008年にかけて発売されたOVA全12話を、2時間の劇場用に再構成した作品。

完全に総集編という趣の内容は、強引に話を3分の1に圧縮しているせいもあって、駆け足感がかなり強い。
「死の谷」や「ダウン・バースト」、「モナド」といった各エピソードの盛り上がる場面を含んではいるものの、状況説明はかなり省かれているのでハッキリ言ってOVAから観ていないと分かりにくいものになっているかな。
それ以前に、'83年のTVシリーズやその後のOVA等を観て、登場人物や世界観を知っているのが前提の作りなので、完全にファンのための作品となっていると思う。

そういうこともあって、展開を短縮しただけの再構成にはどうしても物足りなさが残ります。
特にOVAの時は、寄せ集め部隊の絆が深くなる様や、その崩壊などにもう少し感じ入るところがあったけど、映画では駆け足すぎて感慨が湧きにくいんだよね。
エンディングで流れる新録の「炎のさだめ」は悪くなかったけども…。

今作ではAT(アーマード・トルーパー)が全て3DCGで描かれ、ダイナミックな動きや集団での戦闘場面ではその効果がいかんなく発揮されていて迫力満点。
個人的には雪上でのATの動作がスピード感があってお気に入り。
逆にオープニングの「タイパス渡河作戦」はまんま「プライベート・ライアン」なので、あまり捻りを感じられなくて今ひとつ。
まあ、ATという“消耗品”による物量攻撃が成立している世界という状況説明としてはありかなあ?


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