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伊坂幸太郎の同名小説の実写化作品。
全く容姿が似ていない兄弟2人。
ある日、街で連続放火未遂事件が発生するが、放火のパターンに一定のルールを発見した弟・春は、兄・泉水に放火現場を押さえようと提案する。
・何故兄弟は似ていないのか?
・連続放火犯の目的は?
が最初に提示される謎。
次第に明かされる真実はなかなかハードで不憫に思うものの、あまりストーリー上に他の選択肢がないことと、その回りくどいやり方を選んだ理由が今ひとつ理解できないのが、ミステリー的には“取って付けた話”という印象になってしまって微妙かな。
さらにラストは私刑を黙認するかのごとく話が展開されるので、個人的にはビックリ。
それでも話に対する加瀬亮と岡田将生という主人公のキャスティングはマッチしていたと思うし、ユルいけども筋の通っている親父役の小日向文世は良い感じだった。
中盤にある、親父が弟の出生に言及するシーンで、「神に尋ねた」「『自分で考えろ!』と怒鳴られた」「自分で考えた」「お前は俺の子だ」という一連の流れはなかなかグッと来たね。
そういう意味では“家族の物語”と思えば悪くない映画。
だけども、話の決着の付け方にいささか倫理的な疑問が残る映画でもあります。
個人的には「遺伝か環境か」という前半に提示されたテーマや、「重力ピエロ」という意味深なタイトルがもっと話に深く生かされれば印象が違ったのかもと思った。
どちらも終盤に少しまとめとして使われる程度で、ちょっと分かりにくかったね。
特にタイトルの付け方は上手いのかどうかも分からない。
“夏子”のエピソードは、吉高由里子の演技も相まって面白く観れた部分もあるけど、話の鍵を握っているとするにはいささか強引さを感じるかなあ。
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