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三谷幸喜が監督・脚本を務める4作目のコメディ映画。
とある港町、ギャングのボスの愛人に手を出したことで進退窮まった青年が、ボスの探していた殺し屋を、売れない俳優を使ってでっち上げるが…。
喜劇としてはもちろん大声を上げて笑ってしまうくらい面白く仕上がっているのだけど、それ以上に監督の“映画”に対する想いが強く伝わってくる映画を描いた映画でした。
オープニングこそ舞台劇みたいなワンカットで進んでいくものの、全編に渡って“映画”への愛が溢れているんだわ。
演者も裏方もそれをひっくるめて映画なんだと、観終わった感触も「映画のような話を観た」と言うよりは「映画のような映画を観た」とも思えるような感じだった。
どこから見ても「カサブランカ」の様な劇中映画「暗黒街の用心棒」の主演俳優に憧れる主人公。
彼の持つ夢は“映画”への夢そのものであって、またその彼の夢を裏切らない展開がまたキレイな話で気持ちが良いね。
逆にもう一人のだます側の主人公は行き当たりばったりの人間で、結局それ相応のオチ(女に逃げられる)になるわけだけど、そこはもちろんそうならなくちゃいけないw
演出面ではもうみんな舞台劇みたいに濃い演技ばっかりなんだけど、三谷映画だとそんなに違和感を覚えないのが不思議。
その中で佐藤浩市は(設定上)さらにあぶらっこい演技を見事に演じてたね。
もう、面白いったらないわw
難を言えばシーンとシーンの繋ぎが少々唐突に感じる部分もあったけど、全体的な楽しさを思ったらそんな些細なことはどうでも良くなってしまいました。
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