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ある日、少年・エイジはサカサマの少女・パテマと出会う。
彼女は、手を離せば空へ落ちてしまう地底世界の少女だった。
"空に落ちる"というアイデアは面白い。
普段居る地上がサカサマになることで、足場が無くなった全く異なった印象になるわけだ。
が、それは抱き合えば飛べるというアクションにはなったけど、屋内ですら縦移動のギミックにしか使っていないので、もうちょっと重力が逆さであることを生かした見せ場が欲しかったな。
視点が変わることで日常が異世界の様に見えるのだから、屋内の移動のしにくさとかそういうのがもっとあるのかと思ったけど。
でも背景はキレイだし、重力の感じ…浮遊感的なものは良く出ていると思う。
世界観の設定は結構最初から暗示されているので、真相は途中で何となく察しが付く。
価値観の相転移というか、非難していた対象が実は自分たちだったという話はベタだし、王道といえばそうだけどもう一捻り欲しかったかも。
典型的なボーイ・ミーツ・ガールであり、"落ちる少女"、"空へ飛び死んだ父親"、"少女を狙う敵"など、「天空の城ラピュタ」を想起させる設定も多々あって、全体的に類型的な印象に落ち着いてしまった。
敵の造形もムスカかカリオストロ侯爵かって感じだし。
それにしても、"地上"で世界の真相を誰も知らないというのは、話のための設定でしかないように感じてしまったので、ちょっと微妙だなあ。
"地底人"も大人になるまで"地上人"がいることを教えてはいけないという掟もそうだけど、もう少しその辺の事情に積み重ねがあれば印象が変わったかもね?
TVシリーズでじっくりやれば、あるいは良かったかもなあなどと思った次第。
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