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メキシコ、家族のためにルチャリブレ(プロレス)でエスカルゴマンとして戦う男。
白い部屋の中、パジャマ姿の男が目覚めるとそこは何もない場所だった。
ダウンタウンの松本人志が「大日本人」に続いて撮った2本目の劇場用映画。
相変わらず自分の世界を突っ走って表現してますが、独特ではあるけど松本以外が撮ったら相手にされない様な映画の気もする。
白い部屋の中で壁に生えた天使のチンチンを見つけた男が、それを触るたびに何かが飛び出して来るという構成の「修行編」。
松本の独り芝居で進み、また何の説明もないわけだけれど、状況でその部屋のルールが分かってくると、その後の松本の狼狽ぶりが面白い。
シチュエーションはシュールの極みといったコントそのものなので、そういうのが好きな人は笑えるでしょう。
その白い部屋の場面と並行して描かれる地に足ついたメキシコパートがどういう意味を持つのか、終盤までサッパリ分からないんだけど、その理由が分かった時には複雑な気分になってしまった。
あれだけシュールな状況で笑かしていたのに、そのパジャマ男が何者であるかということに意味を与えたことで、“世界”そのものを描いてしまおうという傲慢さが垣間見えてくるんだよなあ。
本人にはそんな意識はないのかもしれないけど、「修行編」は何の修行だったのか、「実践編」は何の実践だったのか、そのへんが見えてくると妙にクサくてねえ。
ある意味、(宗教に近づいていった)ネタが際どくてギャグとして観て良いのか…。
とは言え「大日本人」よりは普通に観れた気がします。
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