シネつう!
JAPAN STYLE !!

白い巨塔
1966年制作

満足度:

山崎豊子の同名小説の映画化作品。
カネと権力にまみれた大学病院内の派閥争いと医療訴訟を描く。

2時間半という上映時間ながら、長編小説の原作をコンパクトに上手く纏め上げている印象を受ける。
大名にも例えられた教授の座をめぐる権謀術数、実弾攻撃、実に醜い。
大学病院はもはや仁術を施すところではなく、主人公の財前医師の様に自らの出世・保身を最優先にする者達の巣窟か。
そんな彼らの“策謀”という必死の攻防戦が繰り広げられ、すごくテンションの高い映画だった様に思う。

劇中では里見医師が良心の医者として存在するが、そんな彼は良心だけでは抗えずエピローグで左遷させられてしまう。
そこが現実の救いの無さというか、「悪い奴ほどよく眠る」といったある種のリアリティを感じてしまうところでもあるね。
映画としての話は一つの区切りがついたところで終わっているので、そんなに気にならないけど、原作はこの続きもあるので本当の結末を知るには原作かドラマを見ないといけないかな?
まあ途中までの話だとしても、映画としての見応えは抜群でした。

妙にリアリティのあるこの話は、一応冒頭で「この話にモデルはない」とはしてはいるけど、こりゃあどう見たって阪大だよねw
大阪人の俺としては、生まれるよりずっと前の昔の大阪の街並みが色々と映し出されて、それはそれで興味深い。
旧大阪駅、旧裁判所、昔の道頓堀…。
そういえば里見の住居がアパートになってたけど、窓の外は大阪城を見下ろしていた。
どんな高層アパートかw
(イメージ優先の合成だろうが、さすがにこれは変だw)


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