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妹尾河童の自伝的小説を原作に、1941年から1946年の神戸に生きた妹尾肇少年の姿を描いたドラマ。
原作は未読。
映画は、戦中の空気感をリアルに描き出す…というよりはどことなく小ぎれいな感じ。
戦争の影が近づき、赤狩りがあったり戦時体制が強化されたり、空襲で町が焼けたりと厳しい現実が描かれているのだけども、どこかファンタジックなんだよなあ。
基本的に子供の目線ということもあるのかもしれないけど、全体的に駆け足で話が進んでいることもあって、泥臭い感じがしない。
登場する主人公の父親・盛夫(水谷豊)はその時代にあって先進的というか、本質を見抜いている人物で、そこがこの映画の超越した感覚に繋がっているのかも?
まあこういう話には現代的感覚の解説者や批判者は付き物ではあるけどね。
ただ、この父親が戦中から的確に時代を評していたのを肇少年が聞いていたのを見ると、終戦でガラッと変わる空気や理不尽に憤る部分を少し弱めているんじゃないかとも思った。
他には、5〜6年の間の話なのに子役が年齢に沿って成長したり交代することもないので、そういうところも気にはなったかな。
まあそれでも水谷豊の父親像は良かったと思う。
焼野原となった町を見る時の表情なぞ。
もどる(サ行)
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