シネつう!
JAPAN STYLE !!

ドラえもん
のび太と銀河超特急
1996年制作

満足度:

劇場版「ドラえもん」第17作。
ドラえもんが未来で購入した銀河ミステリー列車のチケット。
のび太たち一行は楽しみながら乗車するが、一方で外宇宙から銀河の乗っ取りを企む謎の生命体「ヤドリ」が迫っていた。

「こんなこといいな」の詰まった銀河超特急とドリーマーズランド。
子供心に想像の膨らむ展開が楽しい。
もっとも、ドリーマーズランドのテーマに西部劇や恐竜を外さないところが、また藤子F先生らしくて微笑ましい。
逃げる列車と追う襲撃者なんて構図は、西部劇の列車強盗的な構成だよね。
恐竜ネタではわざわざヴェロキラプトルを出したりして、藤子F先生、「ジュラシック・パーク」が楽しかったんだろうなと想像w
やっぱり好きなものを詰め込んだって感じですな。

一般的に銀河鉄道と言えば宮沢賢治か「999」か。
個人的には宇宙で汽車というと後者を思い浮かべてしまうのだけれど、本作は宮沢賢治生誕100周年の年に公開されているので、意識しているとすれば前者へのオマージュだろう。
銀河エクスプレスが宇宙を行くシーンではメンデルスゾーンが流れるけど、宇宙でクラシックって…「銀河英雄伝説」じゃあるまいし。
もしかして影響受けてる?…のかもしれないけど、これは分からないな。

全体的にはドリーマーズランドのイベントとしての列車内での忍者やドラキュラやガンマンのチラ見せがあり、事件の核心が起こるのは映画の3分の2が過ぎたあたり。
これを遅いとみるかどうかはあるけど、危機に落ちてから解決までがあっという間なので、ちょっとその辺はアッサリな印象も。
ただ忍法壁抜けのタイミングなど、何でもないことが実は伏線になってるところの持って行き方など、やっぱり子供にも分かりやすい上に上手いなあと思うところです。

事件発生が遅い分(まあヤドリは暗躍してはいるが)、藤子F先生らしいギャグを含めた遊びに時間を割いている感じですが、これはこれで楽しませようという気持ちが伝わってきて良いよ。
「仮免許皆伝」なんてのは子供より大人の方が「何じゃそりゃ」と笑ってしまうかもしれないが、くだらなくて面白いw
「白雪姫」が人気すぎて7人同時進行で王子の取り合いって、なんだかブラック。
そして人気のない「ぶんぶく茶釜」というチョイスw


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