シネつう!
JAPAN STYLE !!

ドラえもん
のび太の南海大冒険
1998年制作

満足度:

劇場版「ドラえもん」第19作。
スティーブンソンの小説「宝島」に憧れたのび太は、ドラえもんに頼んで宝島への航海をさせてもらうが…。

藤子・F・不二雄先生が亡くなってから初めての劇場版。
これまでの大長編を原作とした形とは違って、短編エピソードを繋げたり膨らます形になっているけど、そのおかげで「ドラえもん」という作風はそのまま守られている安心感はあるかな。
まあ時空の乱れとか、未来人が過去で悪巧みしているあたりなんかはだいぶ「日本誕生」を参考にしている感もあるが、大長編独特のSF設定としての面白みや説教くささは控えめな感じ。
敵のキャラクターやラストバトルなども含めて子ども向けの活劇という趣が強く、正直な感想を言うと、毒にも薬にもならないなあ…とは思った。
ジャイアンはいつもの映画らしく男らしいけど、ヒロインに惚れられるというのは珍しいねw

前作までは画角はスタンダードサイズだったけど、本作からはビスタになって横が広くなりました。
海を題材にするのであれば、そういう広さを表現するには良いかもしれない。
船の横並びの砲撃戦などでも画面の窮屈さは感じなかったけど、色んな表現面でも前作とは何か区切りをつけた感じなのかな。
そういう意味では劇判もこれまでとは雰囲気が違うし、オープニングの「ドラえもんの歌」も吉川ひなのが歌って(…正直上手いとは思わないのだけど)ちょっとずつ変えてきている感じ。

ところで、原作の短編では「南太平洋の真ん中」という設定なのでタイトルは「南海の大冒険」でいいのだけど、本作の舞台はカリブ海なので「南海大冒険」が「どこから見て?」と思ったり思わなかったり。
海賊を出すとなるとイメージは“カリブの海賊”になっちゃうのだろうから、舞台をカリブ海に変えるのは良いのだけれど、映画が原作のタイトルを引用したせいで変に引っかかってしまった(苦笑)

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