シネつう!
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映画ドラえもん
のび太の宇宙英雄記
2015年制作

満足度:

水田わさび版「ドラえもん」劇場版第十作。
自分たちでヒーロー映画を撮影していたドラえもんたちだが、その様子を見た宇宙人・アロンに本物のヒーローと勘違いされ、宇宙海賊に滅ぼされようとしているポックル星を救うよう頼まれる。
原作にはない映画用のオリジナルエピソード。

「リメイクではないオリジナルエピソードならこんなものか」と思いつつも…。
やはり正直言って微妙です。
一方的な考えかもしれないけど、「ドラえもん」って少なくとも小学校高学年までが対象だと思っているんだよね。
でも、オリジナルの映画はいつもなんだけど、どう考えても低学年向けの話にしか思えなくて。
特に今作は「宇宙開拓史」とコンセプトが被る部分が多く、「つい数年前にリメイクした作品の劣化版を何故作るか」と思えてしまってダメだなあ。

「宇宙開拓史」なら「重力が小さいからのび太でもスーパーマンになれる」というSF的な要素が映画の魅力にもなっているんだけど、本作のヒーロー能力は道具の力でしかないから、「何故重力が軽いとそうなるんだろう」というような子供心に知的好奇心を刺激するような疑問が提示されない。
分かりやすい話にご都合主義の塊で、見た目には楽しいかもしれないけれど、子供映画ではあっても手を抜かないSF映画を提供してくれた藤子F先生のストーリーには及ぶべくもなく、気持ちが盛り上がらないまま終わってしまった。

作画は動きこそ悪くないけれど、キャラデザインはこれまでの映画用の味わいのあるものから変わり、TV版に近い硬い線になった感じ。
映画用に絵が差別化されていたのが水田版ドラえもん映画の魅力でもあったのに、そこもやめてしまうのは残念だなあ。
所々さしこまれるギャグに、小さいお子さんのお客さんたちが笑って楽しそうにしていたのは救いではあるが。
そういやプロデューサードラの姿を見て笑っていたのは親だけだったな、それは当たり前かw

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