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水田わさび版「ドラえもん」劇場版第十四作。
今回は原作コミックの1エピソード、「異説クラブメンバーズバッジ」から話を膨らませた作品。
「月の裏側には空気があって生き物が住める」という異説に基づいて、月を舞台に話が展開されていきます。
映画で宇宙が舞台になる作品は多かったけど、月が舞台になるのは初めてかな。
ちなみに原作では「地底空洞説」の話がメインで「月の裏文明説」にも言及はあったけど、この映画では「月のウサギ」を話のきっかけにしているので異説の「文明」部分ついてはスルーされてたね。
今作は過去の映画のリメイクではなく前作・前々作と同じオリジナル作品で、序盤こそ原作コミックからの流れを踏襲している部分は多いけど、途中からはもちろん映画用に話が膨らんでいきます。
が、観ているとなんとなく過去の大長編で観た様な場面がチラホラあった様にも感じられる。
遠く離れた友達(ゲストキャラ)のピンチにのび太たちが再び集まって助けに行くシチュエーションは…「宇宙開拓史」か「アニマル惑星」か。
気球のゴンドラの中が広いのは「大魔境」のキャンピングハットっぽいし、敵の拠点に乗り込む際にしずかちゃんだけ手当のために残るのは「鉄人兵団」だな。
良く言えばドラえもんの映画の「お約束」かもしれないんだけど、オリジナル作品という前提で観てしまうとそれらの踏襲部分が"オマージュ"と取るか"寄せ集め"と取るかの微妙なラインに感じてしまった。
とはいえ、それらの要素のおかげでいかにも「大長編」らしい展開にはなっているとは思うのだけれどね。
内容的にはメインストーリーの「異説」という概念を理解していないと話の仕掛けが分からなくなってしまう設定なので、小学校の中学年以降向けな様な感じかなあ。
(実際、原作は「小学四年生」の掲載作品だし。)
月の地面が揺れる場面で「月震!?」とスネ夫が驚く場面もあったけど、そんな用語、大人でも知らない人がいるんじゃないの?w
でもまあ、小さい子供たちもそういった部分から「月」という身近な星に興味をもっていってくれればいいよね。
そういう意味では多少難しいことを言っているくらいが「ドラえもん」らしいと言えばそうかもしれないと思う。
ところで、物語の後半からはカグヤ星での対決になっていくわけですが、そのカグヤ星のゴダートと呼ばれるエスパル探索部隊の部隊隊長の仮面…。
"赤い○星"やん…。
個人的にはそれが気になって仕方がなかった(苦笑)
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