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スタジオジブリの第一回劇場用長編アニメーション。
ある日、天から降りてきた少女シータと、彼女を助けることになった少年パズーの冒険を描いた作品。
宮崎駿の活劇精神がこれでもかとあふれ出ている物語で、少年の冒険心をくすぐる冒険を2時間という尺で見事に描ききっていると思う。
特に序盤から要塞に囚われたシータの救出までの展開は実にテンポが良く、ここまでで話の半分以上が過ぎるのに、それを一気に見せきってしまうその力業には脱帽。
もう観ている間は時間が経つのも忘れてしまいますわ。
それが何度この映画を観ても、毎回同じように見入ってしまうのだから大したものです。
主人公のパズーとシータは、もうこの声以外には考えられないというハマり具合。
田中真弓も横沢啓子も本職の声優さんだから聞いていても非常に安心感があるよね。
逆にドーラ役の初井言榮やムスカ役の寺田農は、メインの活動は声優というよりも女優・俳優さんなんだけども、これがまた見事な声の演技。
特に初井さんはドーラというキャラクターの豪快さも優しさも実に上手く表現していて、この物語をしっかり下支えしてくれ
てます。
まるで表情のないロボットなのに所作だけで感情を垣間見せたり、ちょっとしたセリフや動作でパズーの日常や仕事のポジションを説明したり、宮崎駿の演出が細かいところでも実に冴えてます。
そもそもこの冒険活劇センスは「未来少年コナン」('78)の延長にあるという感覚もあるけど、やっぱり職人の脂ののっている頃の作品というのは、いつまで経っても色褪せることはないですなあ。
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