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ある日、身体から鉄の部品が生え始めた男の顛末を描いたホラー作品。
塚本晋也監督の代表作。
低予算の作品ながら、それを逆手に取った実験的(?)演出によってきわめて特異な個性を放つ作品ですね。
メイキャップなんてホントにチープなのに、でもそれが痛々しく不気味に見えるのだから不思議。
一見脈略の無いように見える序盤の多くのカットも、見ているこっちに得体の知れない不安感を増幅させ、失笑スレスレのはずなのに並のホラー映画よりもよっぽど不気味な映像にしてしまうというその演出力。
うーん、すごい。
不条理が怪異になる瞬間を見た気がします。
だけどそういう凄さを感じたのも前半までで、後半は観ている方もその演出に慣れてきてしまう。
ストップモーションの手法を人間でやってしまうという移動シーンの(良い意味で)不可解な映像など、見るところもあるのだけれど、“やつ”の力が云々とか対決っぽい感じとかにまでなってくると飽きてきたのも事実。
元々67分の中編作品だけど、もっと短編で勝負した方がインパクトを感じたかも?
前半だけならかなりの満足度なのだが。
そういえば、ホラーだけど冗談でやってるとしか思えないネタも出てくる。
「たいていの事じゃ驚かないから」→「キャー」のくだりとか、主人公のイチモツがドリル化するとか、笑えるけど失笑スレスレw
こういうのをセンスって言うのだろうか。
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