シネつう!
JAPAN STYLE !!

大魔神
1966年制作

満足度:

戦国時代、前領主を排して領民を苦しめる家老・左馬之助。
何事も恐れず、領民の信仰対象となっていた魔人の山にある武人像をも破壊しようとするが…。
大映特撮映画を代表する作品。

今観てもその特撮合成技術は見事な出来だが、時代劇としての作りもしっかりしている。
セットも演技もどこまでも真面目に時代劇であり、下剋上とその復讐という展開も王道なもの。
そこに特撮怪獣モノ(魔人だが)というエッセンスが加わる…というちょっとイロモノ的なところが良いのかもしれない。
結局、特撮時代劇というのは「大魔神」以外にはほとんどないと思うけど、「大魔神」はこの世界観だからこそ面白いのだよね。

領民に対して残虐で、救いようのない奴であればあるほど、その報いを受けるシーンで胸がすく。
これは「北斗の拳」と同じ構造だけど、もちろんこちらの方が先。
というか時代劇ではこれも王道か。
だからこそ、大魔神が目覚め、砦を木っ端みじんに破壊し、左馬之助をぶち殺すシーンは盛り上がる分けですなあ。
大魔神が暴れまわるのは映画の終盤だけだけど、それも必要なタメでしょうかね。

大魔神のスケールが4.5メートルというのも人間目線から見た巨大さも絶妙なサイズで、特撮による合成の上手さもあって迫力満点。
同時代の東宝怪獣映画よりも、こちらの作品の方が特撮映画として良く出来ているんじゃないかな、と思う。


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