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藤沢周平の時代小説を山田洋次が映画化した作品。
幕末の庄内にある海坂藩のある侍の生き様を描く。
よかった。
真田広之が演じる主人公・井口清兵衛の貧しくとも慎ましく誠実な姿は、侍、いや「日本人としてこうありたい」と思えるような精神を見せてくれる。
2時間の作品中、淡々と貧しい平侍としての生活を映し出していくけど、同僚の飲み会、陰口、上司の理不尽な命令…と現代のサラリーマンにも通じる生活に、どんどん主人公へ感情が移っていきます。
宮沢りえ演じる朋江を後添えにという話になると清兵衛が急に不器用になるのは、個人的にはなんだかとっても共感しましたw
この映画で描かれる世界はいわゆる娯楽時代劇・チャンバラといった感じではなくて、“侍の日常生活”そのもの。
仕事して飯食って、人間の日常をリアルに時にケレン味を出して描いてます。
だからこそ現代人が観ても普遍的な共感を覚えるんだろうね。
終盤の果たし合い、田中泯が演じる余五の顔に影がかかりまくりでケレン味たっぷり。
ほとんど顔がハッキリ映る場面がないw
でも室内での勝負は、血が滴る音すら聞こえてくるしすごく生々しかった。
余五が最初に斬りかかる前に、彼が上方を一瞬目で確認していたのは決着への伏線かな?w
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