シネつう!
JAPAN STYLE !!

天地明察
2012年制作

満足度:

冲方丁の同名小説を原作にした時代劇。
江戸時代前期、800年使われ続けていた暦が次第にずれつつある中、幕命によって改暦事業に携わることになった一人の若者の物語。

原作既読なので、どうしても映画化の際に省略された部分が気になってしまう。
そもそも一人の男の人生を描いた長編小説なので、上映を140分に収めようとしたら端折るしかないわけだけど。
まあ再構成についてはヘタだというわけではないし、原作の流れを殺さずにうまく要約しているようにも思える。
この流れなら主人公・算哲の最初の妻・ことの話が描かれないのも仕方がない。

でも気に入らないのは、後半に妻・えんに対して「私より先に死なないでください」というセリフがそのまま残っているところ。
これは妻に先立たれた算哲の想いがこもってなければ台詞のニュアンスが全然違う。
後にある「私より先に死なないでください」も、前の夫を公務で亡くしたえんの想いがあって、お互いに成立してるんじゃない?
えんが最初の嫁ぎ先から離縁された設定になっているとかも、ちょっと俺としては気に入らない。

算哲を演じるのは岡田准一。
もう少し線の細いイメージの方が合っていた気はするけど、まあ悪くはなかった。
全体的にも役者は達者な顔ぶれで安心感はあったかな。
北極出地での笹野高史と岸辺一徳はもうちょっと見たかったかも。

それにしても後半の夜討ちのシーンは要らないなあ。
この映画にあんなアクションシーンは要らないわ。


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