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借金まみれの大学生が、借金取りから100万円と引き替えに東京散歩を付き合うよう言われ…。
微妙な間とシュールな小ネタの積み重ねで独特の世界を提供してくれる三木聡監督の作風そのままに、東京の風景を切り出した何とも魅力的なロードムービーでした。
個人的には今までの三木作品の中で一番良かったかも知れない。
(他の作品はシュール過ぎるものが多いので…。)
もちろんシュールな小ネタは今までの作品と同じくらい詰まっているんだけど、“霞ヶ関へ向かう”というメインの話と、家族が居なかった主人公の話が絶妙のさじ加減で後半を盛り上げてくれる。
主人公の微妙な幸福さがほのかに伝わってくる終盤は、観ているこっちも心が温まってきました。
そんな感覚って、三木作品では初めてかも。
主役のオダギリジョーは相変わらず無難にこなしている印象。
一部ライフカードのイメージとダブるところもあったw
髪型はボブ・ディラン?
借金取りの三浦友和は良いね。
胡散臭さと擬似的な父親像を見事に表現してます。
さすがというか何というか。
三木作品常連の岩松了とふせえりは、どの作品でもキャラのイメージが一緒だよなあ…。
その設定自体反復ギャグなのか、敢えて幅のないキャラ造りにしているかのよう。
そこが面白いところでもあるけど、今作ではついに主人公と絡まないとは思わなかった。
個人的にはやっぱり岸部一徳のインパクトにやられたけど、一番ウケたのは石原良純の登場かも知れない。
まあ、全編笑い転げながら見てたけどねw
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