シネつう!
JAPAN STYLE !!

時をかける少女
2006年制作

満足度:

筒井康隆原作の同名小説を元にしたアニメーション作品。

ストーリーは原作から変更してはいるものの、そのオリジナル設定は現代を舞台にしたその世界で見事に生きているね。
もちろんここまでスレていない学生達が本当にいるかと言えば、フィクションである部分は大きいし、大人の高校時代に対する幻想もあるかも知れない。
でもその主人公達の青春や関係の距離感などを、このタイムリープというテーマで見事に表現したと思う。

無責任にタイムリープして楽しんだ主人公が、自分の良いように場面を変えたことで誰かが不幸になる。
それに主人公が気づいて…というくだりは多少説教臭くもあるけど、俺は良いと思った。
タイムパラドックス物とすれば突っ込みどころはあるだろうけど、この作品ではそれはヤボってものかw
そういえば大変なことになっているという未来の詳細も語られないし…。
でもこの作品の話の中心はそこにはないのだ。

それにしても空の青さが印象的。
なんて透き通った夏の空か。
あとキャラの動画がすごく丁寧に作られていて、キャッチボールの姿にすらちゃんと重心があると感じる。
背景の緻密さもそうだけど、ただの日常をリアルに描いているところがこの作品の土台なんだろう。

で、そういう具合にリアルでありながらも漫画的な表現もある。
そのバランスが、実写ではとうてい出来ない緩急を描いていて、アニメ作品として作った意義を感じたわ。
観て損のない素晴らしい作品です!


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