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筒井康隆原作の同名小説を元にした実写作品。
オリジナルで主人公だった芳山和子の娘・あかりが本作の主人公。
まず、芳山和子が自力でタイムリープするための薬を作ってしまったという設定に驚いた。
「のび太がドラえもんを作ってしまった」と言われるのと同じくらい、これって無茶な設定な気がするw
話が進まないのでそこには目をつむるとしても、主人公のあかりがその時代(1974年)に移動する以外には"時をかける"事はないので、やや看板倒れかも。
主人公らしいオーラを出す仲里依紗によって作品は支えられてはいるものの、これでは単純に青春映画な「バック・トゥ・ザ・フューチャー」って感じ。
まあ、そういう話だと思って観れば、当時代性もその時代の人たちとの交流や恋の話も無難な仕上がりにはなっているけどね。
ただ、ロケ撮影のわりには'74年の風景を再現のために頑張っているとは思うけど、やはり構図としての制限がこっちに伝わってくるので画が少し狭苦しく感じるところもある。
“歴史を変えてはいけない”というルールも、この映画では必要以上に残酷に作用する。
そのルールは理解できるし、不用意に干渉して「みんな幸せになりましたチャンチャン」ではくだらないとは思うけど、かといって死の影をちらつかせるような内容の映画でもなかろうに。
このせいで話は盛り上がったけれど妙に後味は悪い。
「記憶は消されても、心には残るんだ」なんてお題目を出されても、バッドエンドとまでは言わないまでも、グッドエンドとは思えないしなあ。
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