シネつう!
JAPAN STYLE !!

劇場版∀ガンダムT
地球光
2002年制作

満足度:

TV版「∀ガンダム」全50話を前後編に再編集した劇場版の前編。

俺はTV版を観ていないので、この劇場版が初見。
TV放映当時はあの髭ガンダムのデザインがショッキングだったけども、変なこだわりを捨てて観れば面白い話じゃないですか。
序盤こそ強引に話を詰めた感じはするものの、全体的には端折っているなりに上手く纏めているし、富野由悠季の監督作だけあってちゃんと戦争に対する考え方が透けて見える。
地球の人々は発掘される兵器群に頼って月の民と戦うわけだけど、その兵器群が遙か昔の宇宙世紀の遺産であって、それが黒歴史として封印されていたことを考えれば、戦いが何を生むのかを如実に語っているよね。
また、月の女王ディアナと地球の令嬢キエルが入れ替わるという展開は、お互いの立場を相互理解するというステップを分かりやすくしてるし、(普通分かるんじゃ?というツッコミは置いておいて)この辺の持っていき方が上手い。

発掘兵器群ではお遊びの演出も楽しい。
過去を知らない地球の人々は、基本的に水中用モビルスーツであるカプールを陸戦で使いまくってるし、ザクはボルジャーノンなんて名前で呼ばれる始末w
そういえば隊長がザクTに乗って、部下がザクUに乗ってたな。

本作のラストでサブタイトル“地球光”の意味が分かるけれど、現実の今をも含めた黒歴史が如何に虚しいものかを考えさせるね。
そして話は後編の「月光蝶」に続きます。


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