シネつう!
JAPAN STYLE !!

ONE PIECE FILM
STRONG WORLD
2009年制作

満足度:

劇場版「ワンピース」第10作。
原作者の尾田栄一郎自らが制作総指揮・ストーリー・デザインを手がけた懇親の一作。
伝説の海賊シキにナミをさらわれ、さらに空中に浮かぶ島でバラバラにはぐれたルフィ一行。
さらにシキは、東の海を壊滅される計略を持っていたのだった。

尾田先生が「少年たちのために」と考えた答えは、冒険あり友情ありバトルありといった王道を一直線に突き進んだ痛快なモノになっていました。
状況説明や技の紹介方法もクライマックスへ向けて的確に展開していくし、ストーリーの背景を描くことが大好きな尾田先生の話としては、その魅力を出しつつ2時間という枠の中で見事に描ききっているのではないかと思う。
でもそれはこの映画単品だけで収まっているのではなくて、特にナミの出自であるアーロン編を知っていないとダメなんだけどね。
そういえばこの作品は、ナミがヒロインであり、彼女をルフィ達が助けに行くということも含めてアーロン編を思い浮かべる部分があるなあ。
でも10年前の設定がベースとなっているストーリーというのは、作品の歴史があった上で、しかも劇場版10作目という記念作品だから、それも良いと思う。

作画はかなり良い出来で、バトルシーンも迫力満点。
このレベルはさすがに劇場版だなと納得できるものです。
ただ演出としては序盤の“弱肉強食の世界”を説明する描写が、もうちょっとテンポアップしてる方が俺は好みだったかな。
色々な奇想天外な動物を見たい見せたいというのは分かるけど、頑張りすぎな感じもあった。
でも元々人数の多いレギュラーキャラ達の説明や、状況描写としては機能しているわけで、これはこれでありなのかなとも…。
他にはシキ一味のコントも制作側のこだわりなんだろうけど、彼らだけで勝手に騒いでいるだけなので見ている方は若干置いてけぼり。
原作ではよく使われるギャグの要素で、再現度も高いと思うんだけど動画にすると受け手は難しいんだなと認識しました。

前半の、そんな不思議島の様子を見ている限りではちょっと乗り切れない部分もあったけど、シキとルフィ一行の最初のバトル〜ナミのシキ一味入りあたりから話が大きく動き出し、かなりのめり込んでしまったね。
ナミの苦悩の扱い方が上手いけど、そういうあたりが「ワンピース」らしさ。
そしてシキの本拠への殴り込みなんて、もう時代劇かヤクザ映画じゃないかw
重火器をぶっ放すルフィ達には若干面食らったけど、やはりその後はお約束の肉弾戦大バトルでもう満足です。

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