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劇場版「ワンピース」第13作。
巨大なカジノ・エンターテイメント船「グラン・テゾーロ」へ到着した麦わらの一味。
VIP待遇でカジノを楽しむ一行だったが、黄金を操る船主・ギルド・テゾーロの罠に落ち、ゾロを人質に取られてしまう。
3年半ぶりの劇場版ということもあるだろうが気合が入ったバリバリ動く絵は勢いがあっていい。
3D版も作られているので背景にCGも多用されているけれど、キャラクターに対してそんなに浮いているということもないし、むしろカメラ移動の自由さに効果が出ていると思う。
そういう意味で、冒頭でのショー開幕の映像は、世界観の説明、ボスの説明、見せ方の方向性を一気にやりきった感すらするてんこ盛り状態で非常に豪華。
全体を見れば、二転三転する騙し合いがカジノという舞台でのテーマに合っているし、観客も巻き込んでダマそうという作り手のサービス精神も垣間見えて良いのだが、どこかしら冗長な印象を受けるのも事実。
亀車レースはストーリーに直結というよりはサービスでしかなかったし、説明台詞もやや多かった様にも思う。
まあ途中の作戦説明はミスリードの意味もあるから、あとで考えればありなのだけれど。
(ちなみに亀エンジンの発想自体はすごく好きですw)
一見してバトル〜ピンチ〜バトル〜ピンチ〜バトルの繰り返しに見えてしまうのも、見ている間はちょっとクドさを感じてしまった。
ギア2からギア4までちゃんと見せているあたり、サービス精神の裏返しとは理解しているのだけども。
でも敵を前にして見栄を切るシーンを出したのであれば、一気に決着をつけて欲しかった気もする。
何にせよメインキャラが多すぎるし、ルフィの技も多彩過ぎて、どうしてもそれぞれ見せ場を作るためには発散気味になるのも仕方ないのかもしれないが。
とにかくファンサービスをしようとして詰め込み過ぎた気がする。
CP-0としてロブ・ルッチが出てきたのもサービスだよね。
(役割的にはギルド・テゾーロの回収役だが。)
サボとのバトルも単体で考えるならばいいと思うんだけど、やっぱり場面が発散する原因の一つじゃないか?…とも。
スパンダムの再登場も…正直かませ犬でしかないし、それなら出さなくてもなあ。
敵の過去を語らずにはいられないのはいつもの尾田先生の作風だけど、今作はギルド・テゾーロの過去をフラッシュバックで見せる程度に抑えられていたので、その辺はまだよかったかな。
個人的にはこのボリュームを120分でやらなくても、もう少しコンパクトに100分強くらいにしても良かったんじゃないか…なんて思った次第。
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