シネつう!
JAPAN STYLE !!

劇場版 ONE PIECE
STAMPEDE
2019年制作

満足度:

劇場版「ワンピース」第14作。
何年かに一度開催されるお祭り“海賊万博”に参加した麦わらの一味。
主催者・ブエナ・フェスタはその万博の裏で元ロジャー海賊団のダグラス・バレットと共にある計画を実行に移していた。

アニメ放送20周年記念ということでたいそう豪華な中身になってますよ。
劇場版ならではのお祭り映画として、今までに出てきた海賊・海軍のキャラがこれでもかというくらい出てくるけど、それにしたってもう多すぎw
台詞なしのモブで登場しているキャラも含めたらいったい何人出てきている事やら。
それでいてメイン級のキャラにはそれぞれ1回以上は見せ場を用意してあるし、ホントサービス精神旺盛な映画だったな。

ここまで登場人物が多いと話が発散しそうだけど、そのあたりはストーリーラインをシンプル化して「ほぼ全員VSダグラス・バレット」というバトルに終始しているので、思いのほかまとまり感がある。
キャラを総登場させるためにバレットの目的を「全員を倒す」という設定にしているのは分かりやすいし、さらにその餌にロジャーの宝を用意するという、なかなか力づくだけど理にかなった舞台だったかな。
あと、あくまで劇場版としては連載中の本編とは独立した話にしないといけないので、この作品でロジャーの宝が手に入ってしまうといけないわけだけど、そのあたりの決着としても「ロジャーの宝がなんなのか」と「ルフィならそうするはずだ」という部分の説得力があったのは悪くない。

そんな具合にお祭り映画としては大いにあり。
バトルシーンでの迫力のある作画、バレットの圧を感じるデザインや線の荒々しさも良いね。
ただ、肉弾戦から中型→大型へと変化していくバレットの姿はインフレ感が強い。
特に大型に対してはルフィが「バレットおぉぉ!」と言いながらギア4で突っ込んでいくシーンが繰り返されるのでちょっと大味感もあったかな。
というか大型バレットは「『もののけ姫』のディダラボッチ」か「『真ゲッター』の真ドラゴン」かよってくらいの大きさだけど、CGキャラで描いちゃってるんだよなー。
キャラ描写の統一感的には…正直言うと大型バレットも作画でやってほしかった。

それにしても冒頭以外はひたすらバトル描写で、実に潔いお祭り映画になっていたと思う。
考えてみれば半年前に公開された「ドラゴンボール超 ブロリー」もひたすらバトルに終始しただけの話だったけど、あれも見ごたえあったもんな。
バトル漫画の映画版として観客が期待する「見たいアクション」をシンプルに見せつけてくれているのが良いのだろう。
ただ、登場人物を絞るだけ絞った「ドラゴンボール超 ブロリー」とは違って、登場人物を出せるだけ出してた本作がそれとは真逆のアプローチになっているというのは興味深いところでもある。


もどる(ワ行)

当サイトは
円柱野郎なる人物が
運営しています
since 2003.02.01