シネつう!
JAPAN STYLE !!

若者たち
1967年制作

満足度:

両親を亡くした5人兄弟の衝突しながらもたくましく生きていく姿を描いた、同名TVドラマをリメイクした家族ドラマの劇場版。

高度成長期、学生闘争、学歴社会…という時代背景の中で、その空気感というものが良い意味でしっかり描かれているように思う。
兄弟それぞれの生き方も描かれ、それが故の衝突も家族ドラマとして共感する部分も多い。
それは半世紀たった今観てもね。
でもこれだけ魂でぶつかり合うということは、今の時代では家族の中ですら無くなったんじゃないか。
そういう意味で時代を感じさせられるし、これだけ逞しく前に進もうとしている人たちを見ると、日本人のバイタリティというものは明らかに変貌したと感じてしまう。

5人兄弟を演じるのは、田中邦衛、橋本功、佐藤オリエ、山本圭、松山省二(現・松山政路)。
学は無く粗雑で直情型だけれど、人に対する思いやりがある長兄・太郎の田中邦衛はイメージ通り。
クライマックスの兄弟げんかは、おそらくワンシーンで撮り切ったと思えるほどの緊迫感の持続があり、実に迫力がある。
他の兄弟の恋や友情なども短くも良く描けていると思うけれど、キャラクターとしては三男・三郎役の山本圭が良い味を出しているね。
多少、思想がかった役どころではあるけれど、まあ主張はまともだと思うし、話のコントロール役として機能しているし。
大学のシーンでは学生運動に熱心な感じも描かれたけど、この時代の学生は大体そうだろうから、これも時代性の表れかなあ。
それにしても若いころの山本圭氏はえらく二枚目だったのですねw

テーマ曲の「空にまた陽が昇るとき」が印象深いです。

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