6
pixiv発の同名マンガを原作に、自身のオタク趣味を職場で隠している桃瀬成海と、幼馴染でゲームオタクの二藤宏嵩の恋愛模様を描いたコメディ映画。
冒頭からよく分からない佐藤二朗の独演会が始まって「いかにも福田雄一作品だな」って感じだけど、本作が原作ファンを狙っているのか、はたまた福田作品のファンを狙っているのか、全体的にターゲットがどっちつかずになった印象で個人的にはいまいちだった。
この原作の映像化としては本作の2年前にアニメ化されていて自分はそっちを観ていたのだけど、オタク心理から上手くアプローチした面白いラブコメに仕立ててあって、その内容には好感を持っていたんだよね。
でもこの実写版はそういうオタクに対する心理的な共感からのアプローチではなくて、オタクでない人が“周りから想像するオタク像”というアプローチでキャラを描いているように感じてしまって、そこが一番楽しめない原因になってしまいました。
出してくるアニメネタやゲームネタも、それっぽいものを入れておけば大丈夫でしょ?というのが透けて見える感じがなんか気になってしまったし…。
少なくとも監督自身がこの映画に登場するようなオタクではないというのは伝わってくる(苦笑)
(共感があればこんな表面的な感じにはならないと思うので。)
それにしても本作にミュージカル要素を入れたのはなぜなんだろう。
素直に実写ドラマにしだけでは地味だと考えたのだろうか。
コミック的な演出は福田作品ではよくあることだし本作でもやってはいたけれど、それでも間が持たないと思ったのだろうか。
結局、本来原作にあったオタクに対する共感的な物語に“福田組のネタ”と“ミュージカル”を追加したことで、逆に何を見せたいのかが曖昧になってしまった気がするなあ。
それぞれが飛びぬけてうまく出来ているわけでもないし。
それで自分には「ターゲットがどっちつかずになった感じ」という印象だけが残ってしまったんだよね。
俺は映像化ならアニメ版が好きです。
もどる(ワ行)
当サイトは
円柱野郎なる人物が
運営しています
since 2003.02.01