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「踊る大捜査線」スピンオフ第二弾。
今作は、なんと室井管理官が“特別公務員暴行陵虐罪の共謀共同正犯”容疑で逮捕される話。
予告編からも伝わってくるのが、今作が今までの「踊る〜」と雰囲気を変えたコミカルな演出を排除した人間ドラマをやろうとしていること。
スピンオフでもあるし、本編との差別化という意味では良いかも知れない。
でも君塚監督は本広演出を意識しすぎて、逆に過剰演出気味になってしまったかも…。
「踊る〜」本編の演出の魅力は、コミカルさや外連味と本気の絶妙なバランス。
そういうジョークと本気の緩急が視聴者を楽しませてくれる。
けどコミカルさを排除した中で外連味だけが残ると、本気であればあるほど、そこには嘘くささが前面に出てきてしまって台無しになりかねないと思う。
例えば、いつも停電のように暗い警察官僚の出るシーン。(記者会見でも部屋は異常に暗いw)
実務性が感じられない(机の端からPCまでの距離が遠すぎ)灰島法律事務所。
新宿北署の構造にも少々疑問が残る。
普段の「踊る〜」ならこれも一種の記号と思って観られるけど、今作は趣向が違ったために俺には逆効果だった…。
ストーリーは、俺は「踊る〜」シリーズとして悪くないと思うし、楽しめたところもある。
室井の生き方それ自身にも共感する部分があったし、警察庁や警視庁のゴタゴタと、新城・沖田管理官の室井への想いみたいなものも良かった。
でも個人的には、本広監督の「容疑者 室井慎次」も観てみたいなあ…、と思った次第。
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