シネつう!
JAPAN STYLE !!

靖国 YASUKUNI
2007年制作

満足度:

靖国刀の刀匠へのインタビューと、8月15日の境内の様子を中心に“靖国神社”描いたドキュメンタリー。

終戦記念日という、最も靖国神社が注目される日をカメラで撮っているだけあって、…非常に騒々しい。
なんでここがこんなに騒がしいのか。
そういう意味で非常に残念な気分にさせてくれる映画ではあった。

この映画には靖国神社の肯定者も否定者も色んな人が出てくるけど、ほとんど自分の意見を感情的に主張する人ばっかりで、観ていても共感を得る事が出来なかったなあ。
まあ、結局は精神とか宗教の話なので当事者からすると感情的にもなっちゃうんだろうけど、理性を欠いた主張には説得力がないね。
個人的には、浄土真宗の住職へのインタビューが一番素直(まとも)に聞くことができた。

この作品のスタンスは一応“靖国神社のある日”を客観的に取り上げているというものなんだろうけど、結構監督の考え方を作為的に描いた構成になっていると思う。
(まあ、ドキュメンタリーなんて往々にしてそんなもんだが。)
戦中の軍刀関連の写真や映像のアーカイブを畳みかけるように見せる終盤なんて、ちょっとあからさま過ぎるw
それを靖国刀の刀匠と結びつけようとしているようにも見えるのは、なんだか居心地が悪い。

しかしこの作品の一番の難は、ビデオのゲリラ撮影の様な内容のせいで、話が聞きづらいし、画面が揺れるってところ。
臨場感を超えて安っぽい。
そしてやたらと多用する人物のアップが鬱陶しい。
あれはキメのところで使うから効果的なんであって、ずっとやられると見づらくて息が詰まります。
客観的な引きの画がもうちょっと欲しかったけど、カメラがずっと最前線なのは監督の思い入れの表れって事なんでしょうかね?

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