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二組のヤクザが対立している宿場町に現れた一人の浪人。
彼の策謀よってヤクザの対立が深まっていく。
いやはや痛快!
娯楽作として実に面白い。
まあなんと言っても、主人公の桑畑三十郎(自称)のキャラが際立っている。
情に厚くそれでいて剽軽なところもあって、実に格好良く憎めない男。
序盤は自分の思い通りにヤクザ同士の抗争をけしかけ、文字通り高みの見物をする、まさに達観者という感じだった。
だから俺も「全てがこいつの思い通りに進んで、めでたしめでたしで終わるのかな?」とも思ってたんやけど、やっぱりそうはならない。
敵方に卯之助という拳銃使いが現れたあたりから怪しくなってくる。
三十郎の計画が狂った直接の原因は、人情で百姓夫婦を救ったことにあるけど、元々卯之助の勘は良かった。
亥之吉ではそうもいかないw
単純な話なのに先が読めないのは面白いなあ。
ラストの決闘に向かう姿は圧巻。
手前に居酒屋の親父を助けに走る桶屋の親父。
真ん中あたりに画面奥の三十郎へ向かって歩くヤクザ達。
一番奥に手前に向かって歩く三十郎。
そして吹きまくる風と砂埃。
なんちゅうスゲー構図だw
しかし、三十郎は三船敏郎以外にはありえない。
なんか分かんないけど凄い。
あの雰囲気…。
居酒屋の親爺を演じる東野英治郎も凄く良かったね。
実は端役で西村晃も出演していて、水戸黄門が二人もいたわけだw
ところで一点だけ疑問。
百姓夫婦を救うために6人を斬った三十郎。
返り血は浴びなかったのか?
まあ、浴びてたらその後話が変わってしまうけど…。
きっと浴びなかったんだよなあ…、やっぱ達人だからかなあ…?
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