8
あfろ原作の漫画を基にした劇場版アニメ。
TVアニメで描かれた主人公たちの数年後の姿を描く。
原作は未読だけどTVアニメの方で1〜2期と短編の「へやキャン△」は鑑賞済み。
TV版では野外活動を通じて描かれるゆったりとした雰囲気とキャラクターたちの魅力に大いに癒やされましたね。
そんな作品の劇場版ということだけど、描かれるのは高校の部活ではなく社会人になった主人公たちの姿。
公開前に発表された時は「部活の話をやるんじゃないのか」と意外にも思ったのだけど、実際に本作を観てみると「『ゆるキャン△』の魅力の本質ってのは“高校生の部活”というところじゃなくて、彼女らの人間関係なのだ」と改めて認識させられた次第です。
パンフを読んで驚いたのはTV版1期が終わった直後にアニメの「短編」「2期」「劇場版」の企画が同時に始まったという話で、それなら時代設定を数年スキップしてまで映画をオリジナルの話にする事になったのも納得。
今後続くであろう原作やTV版の邪魔にならない話にするならそれが一番合理的だしね。
でもそれであってもキャンプ場巡りをする様なTV版からの繰り返しではなくて、あえて「キャンプ場を作る」というハードルを提示してきたことはチャレンジだなとも思った。
多分、たとえキャンプ好きな人でも普通はキャンプ場を作るってところまではしない気がする(苦笑)
でもそれによってキャラクターたちの再会と友情の再認識というドラマが生まれていて、映画としての背骨になっているんだよね。
部活ではないけど、彼女らが真剣になれる、同じ方向を向けるものとしての「キャンプ場作り」。
県の事業という設定も組み込んで何か成立できそうなリアリティもあるし、これは上手いなあと思った。
あと「悪い人がいない」というのもこの作品の世界観の一つだけど、そこもブレてはいない。
なので彼女らの活動を邪魔してくるようなキャラも現れないわけだけど、じゃあ映画の起承転結としてどう“困難という山場”を用意して盛り上げるのかと思ったら…まさかの土器発見とはねw
それでも最後には困難を乗り越えてみんな納得できる方向で前に進む。
気持ちがいいじゃないですか。
TV版から数年という時代設定は、主人公たちにとって学生と社会人という大きな生活の変化を与えているけれど、彼女らのキャラクターや友人関係としての本質は変わっていなかった。
それこそが「ゆるキャン△」の魅力であり“らしさ”か。
何かに一所懸命になることや、それを一緒にすることの出来る仲間がいることは素晴らしい。
大人になると特にそう感じさせられることがよくあるけれど、彼女らの大人になっても変わらぬその素晴らしい友情が今後も続いてほしいと思わせてくれる作品であった。
もどる(ヤ行)
当サイトは
円柱野郎なる人物が
運営しています
since 2003.02.01